産後ママ

【産後ママ必見】産後のぽっこりお腹・お腹のたるみはどうしたら戻る?

産後のお腹どうしたらいい?

産後のぽっこりお腹が戻らない!妊娠前に着ていた服が入らない!

芸能人はなんで産後数ヶ月でもあんなにお腹ぺたんこなんだろう?何をしたらお腹は戻るの?このたるみは本当にちゃんと戻る?

気になってるけど、毎日の家事に加えて出産したその日から始まる育児で、ママは自分の事なんて後回しになっちゃいますよね。時間もお金も自分のためにはなかなか使えないけど、お腹がぽっこりしてるのは女性ならやっぱり気になります。

芸能人はお仕事もありますから、ストイックにケアをされているんでしょうけど、実は、産後のおなかは通常そんなにすぐには戻りません。

それどころか、無理に強い腹筋運動をしたりすると、逆にぽっこりお腹を作ってしまったり、他の場所にトラブルを起こすことにもなりかねないんです。

この記事では、理学療法士として産婦人科でリハビリ外来を担当している筆者が、産後のぽっこりお腹について解説していきます。

こんな方におすすめ

  • 産後のぽっこりお腹に悩んでいる方
  • 産後のダイエットをしたい方
  • 家でできることが知りたい方
  • 産後尿もれや腰痛がある方

ぽっこりお腹が戻らない理由は3つ!

まずはぽっこりお腹がなぜ戻らないのかの理由を簡単に説明していきます。

  1. 産後はお腹の筋肉がのびのびになっている
  2. 腹直筋離開とは?
  3. 姿勢が悪いとお腹が戻らない

⒈ 産後はお腹の筋肉がのびのびになっている

妊娠すると、当然ですが、お腹がすごく大きくなりますよね。お腹が大きくなるってことは、お腹周りの皮膚が伸びるってことであり、お腹の奥の筋肉も伸びるってことなんです。

妊娠前と妊娠中のお腹

妊娠中期頃から数ヶ月かけて伸ばされてきた筋肉が、出産したらすぐに元に戻るかというと、そんなに簡単ではないんですよね。

⒉ 多くの妊産婦さんにある!腹直筋離開とは?

腹直筋離開はあまり聞いたことがない言葉かもしれないですが、妊婦さんや産後の方の多くでお腹がこんな状態になっていることがあります。

腹直筋離開

腹直筋離開は妊娠中後期から産後に多くみられる症状で,腹直筋の腹部正中線上における離開である。分娩時の過度のいきみにより腹直筋離開を生じることがある。自覚症状は基本的に少ないが,腹部に力が入らないこと,背部に痛みを生じることや,それに伴う起き上がりなどの日常生活動作困難がある。

平元奈津子:成人期にみられる男女の身体変化と症状 -妊娠,出産と男女の更年期-(理学療法学 2014 年 41 巻 8 号 p. 511-515)

ここにもある通り、自覚症状は基本的にないので、こうなっていても気づかないことがほとんどですし、実際離開があるからといって、ダメなのか!というとそういうわけではありません。

ただ、真ん中の隙間の部分(図の白い部分)が指2本分あると「離開している」と私たちは判断するんですが、離開がひどいとお腹の筋肉自体が働きにくい状態でもあるので、お腹のたるみやぽっこりお腹が戻りにくい状況だと言えるかなと思います。

⒊ 姿勢が悪いとお腹が戻らない?

赤ちゃんをお腹の中で育てるために、女性はこんなにも体を変えて対応しているんですよね。そして赤ちゃんを産んだ後は半年くらいかけて徐々に元の状態に戻っていきます。ちなみに体重も4〜6ヶ月で妊娠前の状態に戻ると文献上ではされています。

ただ、戻ろうとしている期間に姿勢が悪かったり動き方が悪いと、お腹はせっかく元に戻ろうとしているのに、知らないうちに戻るのを邪魔していることになってしまうんです。

例えば…

悪い姿勢

クッションにもたれかかったりなど、背中が丸まってる姿勢。

床で座っている時もそうですが、お腹の部分を曲げて背中を丸めた姿勢は、お腹にとっては全く緊張感がない状態です。

お腹が休憩

この状態、お腹は完全に休憩モードです。筋肉は使ってあげないと力を発揮してくれないので、この状態をいつまでも続けていると、ただそのまま弱っていってしまい、いつまでもぽっこりお腹は変わらない可能性があります。

しかも、腹直筋離開がある場合、本来は戻っていきたいのに、この姿勢をとっていると、まるでボタンホールのようにぱかっと開く方向にしか力が働いていません。

腹直筋離開とボタンホール

離開があってもなくても、ぽっこりお腹をなんとかしたい場合は、まずは座ってる姿勢を見直すことから始めるのもいいかなと思います。

ぽっこりお腹を戻すためにできること

⒈ 実は産褥期の過ごし方がすごく大事

産褥期と言われる産後6〜8週間(約2ヶ月)は、体が元の状態に戻る変化が大きい時期です。つまり、この時期こそ産後の体にとってはすごく大切に過ごしていきたい時期。

上でも説明しましたが、産後のお腹は緊張感がまるでなくてふわふわです。

この時期に座ったり立ったりしている状態は、のびのびでふわふわで薄っぺらい布に重たい臓器が寄りかかっているような感じ。出来るだけ横になって寝ているのが一番です。手伝ってもらえる人がいない場合も、家事代行のサービスを利用出来るだけするというのを検討してもらう方がいいかなと思うほど、この時期は大切に過ごしてもらいたいです。

が、なかなかそれもできない場合は、さらしを使うのがいいかなと思います。

これは私の場合のやり方なので、他にもっといい方法があるかもしれませんが、参考にしてみてください。

さらしの準備

さらしは5mほどあります。まずはそれを2回折ります(4つに折ります)。

2回折ると、輪になる部分と1枚になる部分ができます。

さらしの準備

「1枚の部分★」を反対側にぐるーっと折り返して、「輪の部分」の裏側に行くように持っていきます。

さらしを折り返す

3枚になってる側と2枚になってる側ができました。これで準備完了です。

真ん中の部分を背中に当てて寝転びます。

さらしの巻き方

真ん中を背中に当てたら、3枚になっている側からお腹の上に被せていきます。

さらし1枚目
撮影の関係で起きたままやってますが、寝て巻く方が楽です。

そんなに強く巻かなくても大丈夫なので、緩みのないように少しだけ引っ張って、お腹の上に持っていきます。

反対の手で2枚になっている側の布を一枚取って、反対側からまたお腹の上に乗せていきます。

さらし2枚目

1枚目の布が緩まないように押さえながら、2枚目を乗せていきます。2枚目の布がお腹の上にきたら、1枚目の布を押さえている手は離しても大丈夫です。

これを左右交互に重ねていきます。

最後の5枚目は、そのままお腹との間に挟み込めばOK。

さらし3枚目

最終的な巻く強さはだいたい手のひらが1枚入るくらいで大丈夫です。

さらしを巻く強さ

ぎゅっと巻くのは骨盤底筋というおしもの筋肉に対して負荷が強くなってしまうので、手のひらが入るくらいゆるーーく巻いて、起き上がった時や寝返りをした時に、お腹のお肉が横や下に流れないように保護するのがオススメです。

これは、骨盤を守るためではなくて、お腹の筋肉を保護するためです。なので、腰骨にかけるのではなく、あくまでお腹の柔らかい部分にゆるく巻くのがいいかなと思います。

⒉ 座ってる姿勢に注意

産褥期も、産褥期が開けた後も、姿勢を気をつけるように生活することが、一番日常的に続けながらできることじゃないかなと思っています。

特に授乳などで座っている時間が長いと思うので、出来るだけお腹がまっすぐになるように座るように気をつけることで、座っている時でもお腹の筋肉を働かせてあげましょう。

でも、なかなかいい状態を自分の力で保つことって難しいんです。特に低月齢の赤ちゃんの授乳をしてる時などは、どうしても前かがみになって猫背になってしまったりします。

そんな時は、タオルを使うのがオススメ

床で座る場合

まず、フェイルタオルを小さく折ります。

タオルの折り方

これをお尻の後ろにドアストッパーのように入れてあぐらで座ります。

タオルを入れる場所

これだけで、自然に骨盤を立たせた状態を作ることができるので、あまり余計な力を入れずに自然にいい姿勢を保つことができます。

イスに座る場合

座面が柔らかいイスに座る場合、上の方法だと、タオルが沈み込んでしまってあまりうまくいきません。

背もたれがあるイスの場合は、アンダーバストのライン(下着のラインくらい)にストールやクッションを挟んでもたれるようにするのがオススメです。

イスの座り方

ソファーの場合

座面があまりにふわふわなソファの場合は、むしろ床に座って、ソファを背もたれにした方がいいと思います。

ちょっと硬めなソファの場合も、背中の部分にクッションやぬいぐるみなど大きめのものを詰めて、出来るだけまっすぐが保てるようにします。

ソファの座り方

クッションやタオルなしの場合

クッションやタオルなしで座る場合は、出来るだけ上に伸びるように意識しながら座りましょう。姿勢良くしなきゃと思うがあまり、上ではなく後ろに反り返ってしまって、腰を痛めてしまう方もいらっしゃるのでちょっと注意です。

 ・床:お尻の後ろにタオルを入れる
 ・イス:アンダーバストのラインにタオルを挟む
 ・ソファ:背中に大きいクッションを入れる
 ・腰を反らないように注意!

⒊ このエクササイズは逆効果!

お腹を使えばいいんだ!と頑張って腹筋運動をしたり、起き上がる時に頭からよいしょっと起き上がっている方もよく出会うんですが、これ、実はお腹にとっては逆効果って知ってました?

腹筋しないように

この動き、実は骨盤底筋にとって負担が大きい動きとされています。頭を起こしたときにお腹にかかる圧が、産後で弱っている骨盤底筋に負担をかけて、尿もれなどにも繋がってくるので、注意しましょう!

 ・起き上がるときは横向きから
 ・お腹を曲げる動作や姿勢は、尿もれのリスク

⒋ 体を守りながら!ぽっこりお腹のエクササイズ

この運動しないほうがいいんだったら、どうやって腹筋を鍛えればいいの?と気になりますよね。

体を守りながら行うには、本来は呼吸を使ったエクササイズがオススメなんですが、きちんとやるには対面でお伝えできる場でないとかなり難しいので、ここではエクササイズ用のポールを使った簡単なエクササイズをご紹介しようと思います。

私が使っているのはこのストレッチポール®︎です。

⒈ 胸の前をリラックス

ポールの上に仰向けに寝て、骨盤の幅くらいに足を開いてヒザを立てます。

ポールに仰向けに寝る

最初は気をつけの姿勢で肩をリラックス。胸の前側がしっかり伸びるので、授乳中で猫背や巻き肩になってるママさんにすごくオススメです。

⒉ お腹のエクササイズ

その状態のまま、両手を前ならえします。フラフラする方ほど、お腹の筋肉が普段あまり使えていない状態なので、そのまま出来るだけふらつかないように頑張って耐えましょう。

ポールで両手を挙げる

お腹の筋肉は体を安定して保つ役割があるので、敢えてバランスの悪い状態にすることで、お腹を使ってあげるのがこのエクササイズの狙いです。

ちょっと慣れてきたら、今度は片方ずつ、腕を真横に下ろしてみます。この時床に手をつかないようにするのがポイントです。

ポールで片手ずつ下ろす

手を下ろして10秒。戻して10秒。反対の手を下ろして10秒・・・とゆっくり行うと、しっかりお腹を使うことができるようになります。右だけ揺れるなという場合は、安定するまで右だけを何度か繰り返してやってみるのもオススメですよ。

ぽっこりお腹はまずは予防が大事

いかがでしたでしょうか?ぽっこりお腹は、まずは姿勢を正しく取って、ぽっこりお腹にならないように予防をすることがとっても大切です。と同時に、お腹を安全に使ってあげると働きやすくなってくれます。

逆に、お腹が出ているからといって、ニッパーなどでお腹の柔らかい部分をぎゅーっと締め付けるのは骨盤底筋にとってすごく負担が大きく、尿もれなどのおしも関係のトラブルにも繋がりかねないので、やめておいた方がいいと思います。

一生使う体なので、安全に適切にキレイを作っていきましょう!