家事で手が離せない時や、お出かけの際には大活躍な抱っこ紐。でも抱っこ紐を使っているうちに腰痛・肩こり・頭痛・吐き気などが出てきて、悩んでいるママもとっても多いですよね。
しかも、正しい使い方は、ママだけじゃなくて、赤ちゃんにとっても心地いい使い方なんです。逆に抱っこ紐の間違った使い方は発達途中の赤ちゃんの体にとっても負担になっていることがあるので、この機会に使い方を見直してみましょう!
普段、産婦人科で産後のママさんのリハビリをしたり、ママ向けのイベントで何百人と抱っこ紐の調整をしてきた筆者が詳しく解説をしていきます。
この記事はこんな方にオススメです。
- 抱っこ紐の正解がいまいちわからない
- 抱っこ紐を使うと腰やら肩やらが痛くなる
- 首のストラップ時々ガッチャンしてない
- 赤ちゃんの首がだらんってなってしまう
- ギュってすると赤ちゃんが苦しいんじゃないかと思ってしまう
ちょっと長いですが、ポイントは肩ベルトだけなので、ぜひやってみてください。
驚くほど楽に感じられるようになりますよ!
目次
不調の原因はエルゴの間違った着け方?
特に、抱っこ紐で出かけた時は、もう痛くて、その日寝られなくて…
産婦人科のリハビリやイベントで抱っこ紐の調整をしていると、こんなママさんによく出会います。着け方をみさせていただくと…
首のガチャンとするベルトが高すぎる。
しかも長すぎて肩からベルトが落っこちてる。
肩ベルトもズルズルに長くて、腰ベルトがゆるすぎて、お子さんがすごく下の方でだら〜んってしてる。
・首のストラップの位置が高すぎる
・首のストラップ(ガチャンとするバックル)を留めていない
・肩ベルトが肩からずり落ちそう
・赤ちゃんの頭が自分の胸の位置
・赤ちゃんの首や足がだら〜んとしている
・腰ベルトがゆるい(もしくはギュッと締めすぎ)
・腰ベルトが腰骨にかかっている
間違った着け方でのママの負担
赤ちゃんはどんどん成長して重たくなっていくので、この着け方をしていると、産後のママのデリケートな体にとって、すごく負担が大きいんです。
- 腰が反るので腰痛になりやすい
- 腰骨にベルトがかかっていると骨盤痛になりやすい
- 腰ベルトが強すぎると尿もれにもなりやすい
- 巻き肩になるので肩こりになりやすい
- 首で赤ちゃんの体重を受けるので肩〜首〜頭が痛くなりやすい
間違った着け方での赤ちゃんの負担
しかも、間違った着け方は、ママだけではなくて赤ちゃん側にも負担なんですよ。
- 背当て布が低く首が後ろにダランとなる
- ママとの隙間が広く落下の危険性
- 座る姿勢が安定しなかったり反り返ることで背骨への負担
- 足がダランとなり股関節が守られない
抱っこ紐の着け方の正解はこれ!
・首のストラップは肩甲骨の高さ
・肩のベルトは出来るだけ首の近く
・腰ベルトはウエストの高さにきつすぎずゆるすぎず
・赤ちゃんの高さはおでこにチュっとできる高さ
・赤ちゃんのヒザがお尻よりも高い位置にある
正しい抱っこ紐の装着手順
パパと一緒に抱っこ紐を使う方も、ママだけの専用のものであっても方法は同じです。一緒に調整の手順を確認していきましょう。
⒈首ストラップ・肩ストラップの準備
まずは首のストラップの位置を真ん中にします。装着してから調整するよりも楽なので、最初にやっておいてしまいましょう。
写真はエルゴですが、他のメーカーでも大体この首ストラップの高さを調整する場所があります。多くの方が、ガッチャンする時に手が届かないからと言って、このストラップを一番上のギリギリにしているのですが、これは手順を守れば手が届くようになるので大丈夫。真ん中にしておきましょう。
首のストラップの長さは出来るだけ短くしておきます。装着してからも調整はできますが、結構大変なので、最初に縮めておきます。
さらに、肩のベルトを少し緩めにしておきます。
・首ストラップの高さは真ん中に
・首ストラップの長さを一番狭く
・肩ベルトを少し緩めに
⒉腰ベルトの長さと位置を確認
次に腰ベルトをつけます。よっぽど長時間するとか、もうお子様がかなり大きい子の場合を除いては、ウエストの位置(おへその高さ)がどのメーカーでも推奨されています。
締める強さはウエストぴったりくらいの締め感にします。緩すぎると、赤ちゃんの位置が下がってママの腰に負担がかかります。またキツすぎると、産後の弱っているおしもの筋肉(骨盤底筋群)に対して負担がかかってしまうので気をつけてください。
・腰ベルトの位置:おへその高さ
・腰ベルトの強さ:ウエストぴったりくらいでキツすぎず緩すぎず
⒊赤ちゃんを抱き入れて首ストラップ
赤ちゃんを抱き入れます。ここでのポイントは、赤ちゃんのおヒザを立てた状態で、足をママのウエストにしっかりまたがせること。これで、しっかりと赤ちゃんもお尻で自分の体重を受けることができますし、背中を丸くしてあげることができます。
そして、背当て布をお尻の方からしっかり背中まで当ててから、肩ベルトをつけて、首の後ろのガッチャンを止めます。最初に肩ベルトを少し緩めにしてあるので、首のガッチャンも手が届くはずです。
赤ちゃんのヒザを立てて、自分のウエストにまたがせる
⒋肩ベルトの長さ調節
楽な抱っこをするためには、ここが最大のポイントです。
まず、抱っこ紐の上から赤ちゃんを一度抱っこして赤ちゃんの位置を上にあげます。すると、肩ベルトの脇の下辺りの紐が、少したわみますよね。
このたわんだ分を引き締めます。赤ちゃんのお尻を片手で上に持ち上げたまま、反対の手で脇の下の紐を持ち、前にグッと引っ張ります。下に引っ張っても動かないので、前に引っ張るのがポイントです。
抱っこ紐を使うときは、毎回この紐を引っ張ります。
・抱っこ紐の上から赤ちゃんを抱っこし上に持ち上げる
・片手で赤ちゃんを支えたまま、反対の手で脇の下の紐を前に引く
⒌赤ちゃんの姿勢を直す
このままだと、赤ちゃんは背中からペタッと押しつぶされたようになってしまって苦しいので、最後に座り直させてあげます。
背当て布と赤ちゃんのお尻の間に両側から手を差し込みます。手が入らない時はちょっとお辞儀をすると隙間ができて手が入れやすくなります。そのまま、お尻をクルンと足の方まで撫でるようにしながら赤ちゃんの姿勢を直します。
赤ちゃんのヒザがお尻よりも上になり、おでこにチュッとできる高さになっていればOKです。
・赤ちゃんのお尻から足までを撫でるように姿勢を直す
・赤ちゃんのヒザがお尻よりも上になっていたらOK
・赤ちゃんのおでこにチュッとできる高さになっていたらOK
はずし方
さっき肩ベルトをしっかり引っ張ったことで、首のガッチャンの位置が肩甲骨の位置まで低くなっています。このままだと手が届かないので外せませんよね。そこで、外すときにも手順があります。
⒈肩ベルトの紐を緩める
脇の下に肩ベルトのバックルがあります。ここに指を引っ掛けて、グイっと後ろにあげると、赤ちゃんの重みで紐がスルスルっと自然にゆるんでいきます。
紐がゆるむと、首のガッチャンもスルスルっと上に上がってくるので、手が届くようになります。
⒉首のストラップを外す
手が届くようになったら、バックルを外せばOKです。
・脇の下で肩のストラップを緩める
・手が届くようになったら首のバックルを外す
動画で確認!
一連の流れはこちらからも確認していただけます!
抱っこ紐を選ぶポイント
私が思う抱っこ紐の選び方のポイントをいくつかご紹介します。
- 背当て布が柔らかいこと
- 肩の紐が引っ張りやすい素材
- 肩ベルトのバックルが調整しやすい位置にある
⒈背当て布が柔らかい
赤ちゃんの背に当たる布が硬いと、赤ちゃんの背中がどうしてもピンっと伸びる形になってしまいます。特に月齢の低い赤ちゃんほど、体を丸くしてあげたいので、背中の布が柔らかいものほど赤ちゃんにとってはフィット感が生まれます。
⒉肩の紐が引っ張りやすい素材
肩ベルトが布製のものもありますが、布製のものだと引っ張るときに摩擦力が働いてしまって苦労します。出来るだけスルッと動く素材のものを選ぶといいかなと思います。
⒊肩ベルトのバックルが調整しやすい位置にある
後ろにバックルがあるタイプの抱っこ紐は、肩ベルトを緩める時にバックルに手が届かなくてかなり苦労します。肩周りが柔らかいという自信がある場合はいいのですが、そうでない方は、肩ベルトのバックルの位置が前の方にあるものを選ぶといいかなと思います。
おんぶの時にはどうするの?
月齢が上がってくると、家事の際におんぶの機会が増えますよね。基本的には抱っこの時と調節の仕方は全く同じです。最後に肩ベルトをキュッと引き締めると赤ちゃんの落下や傾くのを防ぐことができます。
ただ、このバックル付きのベビーキャリアタイプの抱っこ紐は、どうしてもおんぶの時に赤ちゃんの位置を高くすることができないため、いろんなものに興味が出てきてキョロキョロしたい月齢になると、ぐずってしまうこともあるかもしれません。
おんぶに関しては、ベビーラップ・兵児帯・おんぶ紐などの布系のものだとママの顔の横に赤ちゃんの顔が出るくらい高い位置でおんぶができるので、オススメです。
まとめ:抱っこ紐は調整して使うと楽
- 毎回肩ベルトを引っ張る
- 取るときは肩ベルトを緩めると首のガッチャンに手が届く
- おんぶの時も手順は同じ
この抱っこの方法なら、ママの体も赤ちゃんの体も守りながら、手持ちの抱っこ紐を活かすことができるんじゃないかなと思います。正しく使って、親子ともに快適に毎日を過ごして行けますように。