寝かしつけの時や、お出かけする時、抱っこ紐は欠かせないアイテムですよね。
でも今は本当に種類が多くて、実際何を基準に選んだらいいのかもわからないし、パッと見るとどれも同じに見えたりしません…?
形が決まってて、首の後ろでガッチャンとするベビーキャリア型がすごく多いし人気ですが、実は赤ちゃんの姿勢が、なかなか理想的な形にはなりづらいものが多いな〜と体の専門家としては思ったりします。
そこで、より赤ちゃんの体にも、大人の体にも沿う布系の抱っこ紐で、手順や使い方が簡単なものはどれだろう?と6種類の布系抱っこ紐とエルゴを実際に試してみました。
- これから抱っこ紐を買おうと思っている
- 簡単で使いやすい抱っこ紐が知りたい
- 抱っこ紐を使っているけど肩や腰が痛くなる
ベビーキャリア以外の抱っこ紐はなんとなく難しそうな印象がありますが、調べてみると意外といろんなタイプがあります。参考にしてみてくださいね。
目次
布系抱っこ紐を比較しました
スリングや、最近ではコニーに代表される布系の抱っこ紐ですが、実は他にもたくさんあるので、今回、それぞれを実際に集めて試着してみました。
- 使用方法が簡単かどうか?
- 赤ちゃんの姿勢
- 抱っこする側の体への負担
- おんぶができるかどうか?
実際に数値化したわけではないのですが、一応体の専門家目線での感想をまとめてみましたので、参考にしてもらえるといいなと思います。
Konny(コニー)
基本的には「被る」「布を広げる」「外紐」だけなので簡単。
抱っこ紐のサイズがきちんと合っていて、赤ちゃんのお尻の下の布をきちんと広げれば、背骨や股関節は良い形をキープできそう。
ただ、使い方が悪いと、赤ちゃんが反ってしまいがちなので、注意は必要。
布が伸びるため、赤ちゃんが大きく重くなるほど、体を反らしてしまい腰への負担が割とありました。
背中の部分が板状になっているので本来そこで赤ちゃんの体重を分散させる設計なのかもしれませんが、布自体が伸びてしまうため、そこでの体重分散は結局あまりできず…
布が伸びることを考慮して、サイズを小さめで買うのがポイント。
おんぶはできません。
おんぶができないこと・使用と共に徐々に布が伸びてしまうことで使い回しができなかったり使える場面が限られてしまうので実際コスパはあまり良いとは言えなさそうです。
布が伸びてしまうため、体への負担が大きいのも個人的には惜しいなと思う点でした。
でも、つける手間が少なくてパパッと抱っこできるので、ちょっとそこまで出たいときや、車の乗り降りが多いとき、寝かしつけのときなどでのメリットはありそうです。
正しいつけ方ができるかどうかが、赤ちゃんの姿勢を守るために大事な部分だなと思います。
ベビーケターン
こちらも基本的には「被る」「布を広げる」「外紐」だけなので簡単。
コニーの「布が伸びない版」なので、抱っこ紐のサイズがきちんと合っていて、赤ちゃんのお尻の下の布をきちんと広げれば、背骨や股関節は良い形をキープできそう。
こちらも使い方が悪いと、赤ちゃんが反ってしまいがちなので、注意は必要。
布が伸びないのは体にとってはメリットです。形が決まっている抱っこ紐のため、赤ちゃんの位置の高さは調整できず多少腰への負担はありますが、コニーほどではありませんでした。
おんぶはできません。
形はコニーとほぼ一緒ですが、個人的には背中のデザインが可愛いなと感じました。
形が決まっていて、どうしても赤ちゃんを高い位置にすることはできないため、腰への負担がないわけではありませんが、布が伸びないことで多少密着感が得られます。
こちらも正しいつけ方ができるかどうかが、赤ちゃんの姿勢を守るために大事な部分だなと思います。
ベビーラップ/ディディモス(伸びない布)
一枚布なので、最初に体にラフに巻きつけスタンバイ。
スタンバイは楽なのですが、赤ちゃんを抱き入れて、布を引き締めるのに最初は苦戦。
布を赤ちゃんの体にピッタリ沿わせるように調整をするので、赤ちゃんの良い姿勢を保てます。ただ、そうなるためにはやはり布を引き締めることができるかどうかがポイントなので、練習は必須です。
布が伸びない上に、幅広く厚手の布で赤ちゃんの体重を分散させられるので、引き締めがうまくできればかなり肩も腰も負担が少なくいられます。
おんぶ可能です。
巻き方が何種類もあるので、自分がやりやすい巻き方で対応することができます。
一枚布のメリットは赤ちゃんの体にも自分の体にも沿わせるため、圧倒的に負担が少ないこと、パパとも共有可能なこと、おんぶも可能なこと、スリングの様にも使えること、ブランケットとして使えることなどありますが、練習が必要なため、慣れるまでがちょっと大変かなというのがあります。
ただ、布の種類(長さ・色・柄・素材・厚み)が豊富なので、好きな布に出会えたら、ファッション感覚で抱っこ紐を使うことができ、かなり練習するモチベーションは上がります。
ベビーラップ/ボバラップ(伸びる布)
一枚布なので、最初に体に巻きつけスタンバイしますが、伸びる素材の場合は、最初に結構きつめに巻かなければならず、布も長いため意外とスタンバイが大変。
赤ちゃんを抱き入れた後は布をかぶせるだけ。
最初のスタンバイがうまくいっていれば、赤ちゃんの位置も下がらず、良い姿勢は保ちやすい。
スタンバイが良い強さでできていれば、そこまで体への負担は感じません。
赤ちゃんを抱き入れてからの調整はできないため、スタンバイ時点での巻く強さが大事です。
キツすぎると、良い姿勢が保ててもきつくて親子とも苦しく、緩すぎると赤ちゃんの位置が下がり、その分腰や肩に負担がきやすいです。
ただ、サイズが決まっているものではないため、巻き直しはできます。ピッタリくるキツさを徐々に掴むのがポイントですが、子供が大きくなるにつれてその加減も変わってくるため、常に探り合いになります。
おんぶはできません。
ボバラップはデザインはかなりシンプルです。
最初のスタンバイ時点でのキツささえ感覚をつかめば、親子とも快適ですが、素材として夏はかなり暑いです。また、おんぶができないので、お出かけのために使うという感じになりそうです。
メイタイ/ディディモス
ベビーキャリアとほとんど同じです。ガッチャンとするストラップの部分が全部布なので、巻きつけて結ぶくらいで、手間は少ないです。
赤ちゃんの背当て布が、ベビーキャリアの様なゴツいものではなく、柔らかい素材で柔軟なので、赤ちゃんの背中〜お尻に沿わせることができ、無理のない姿勢を保つことができます。
ベビーラップ(伸びない布)でうまく引き締めが出来た時の感じを、いとも簡単に再現してくれますので、ほぼベビーラップの使用感と変わりません。体への負担は少ないです。
おんぶも可能です。
ベビーラップ(伸びない布)で引き締めがうまくできた時の使用感を簡単に再現できます。布が長いため、最初はその扱いにちょっと慣れが必要ですが、親子ともに体への負担は少なくいられます。
リングスリング/ディディモス
リングスリングは最初に布をリングに通して、ギャザーを寄せてスタンバイしておきます。
あとは赤ちゃんを抱き入れて布を引くだけなので、手数は少ないです。
リングスリングは基本縦抱きです。横抱きで布を引き締めると股関節に負担が掛かってしまったり、呼吸が苦しくなってしまうので、危険です。
縦抱きであれば、ちゃんと膝から膝まで布を渡して引き締めると赤ちゃんにとっての良い姿勢が保てます。
スリングは片方の肩にかけるから姿勢が歪むと言うわけではなく、写真の様に、赤ちゃんの位置が高く、きちんと布を引き締めて赤ちゃんと密着していたら、腰へも肩へも負担はあまりかかりません。今回試したディディモスのスリングは、布が厚手で肩パッドがないため、きちんと肩の関節部分を覆っていれば、ほとんど肩への負担はないので、実際楽です。
できなくはないんですが、相当慣れている方でないと危険です。
手数が少なく、調節も簡単にでき、良い姿勢が保てて、赤ちゃんの出し入れも楽と言う意味ではリングスリングがオススメです。ディディモスは布が丈夫なので、特に年齢にも限りはありませんし、ちょっとお出かけする時はスリングが便利だと感じます。
ただ、おんぶなどはなかなか難しいので、これ一つで色々したいと言う方にはオススメはしませんが、セカンド抱っこ紐として考えるなら私は「そこそこ厚手の布で肩パッドの入ってないリングスリング」を選ぶかなと思います。
ベビーキャリア/エルゴ
スタンバイして赤ちゃんを抱き入れ、最後にきちんと調整をして、赤ちゃんを座らせ直すところまですると、実は結構手数があります。
背当て布がゴツくて硬いタイプが多いので、どうしても赤ちゃんの背中がピンッとなってしまいがちです。このタイプは、それ以上どうしようもないので、最後に座らせ直すことで、少しでも快適な抱っこ姿勢を作ってあげれば、それなりには形になります。
腰ベルトがついているから楽と言うわけではなく、赤ちゃんとの密着度が作れるか・赤ちゃんの位置が高くなるかで体への負担は変わってきますので、使い方がポイントです。
使い方さえきちんとしていれば、負担を減らすことはできます。
おんぶは可能です。ソファから背負う形だと簡単におんぶできます。
が、ギリギリまで調整してもちょっと位置が低くなってしまいます。
位置が低いと、何より赤ちゃんにとっては視界が狭く、周りが見たくても見られない環境です。おんぶの時もきちんと座らせ直すなどして、赤ちゃんの姿勢を保ってあげないと、ピンと背中が真っ直ぐで膝がだらんとしたままペタッと背中に張り付いていることになってしまうので、最後に良い姿勢を作ってあげるのは、赤ちゃんのために大事なポイントです。
一番使われているタイプの抱っこ紐なので、比較のために今回一緒に試着をしました。
赤ちゃんの姿勢を考えると、どうしても抱っこ紐自体が赤ちゃんの体に沿いにくいため、使い方がかなりポイントになってきます。
赤ちゃんの姿勢をきちんと整えてあげるところまでを使用手順と考えると、調整はやはり必要なので、意外と手数はあると思います。
でも慣れている方にはやはり手っ取り早く使えるというメリットはあるかなと思います。
抱っこ紐での肩や腰への負担を減らすには?
抱っこ紐での負担を軽減するポイントは
- 赤ちゃんの位置を高くする
- 赤ちゃんとの密着度を高める
ということだと思います。
調整できない:コニー・ベビーケターン
元から形が決まっている「コニー」や「ベビーケターン」は、手数は少なくて楽なんですが、調整ができないため、外紐を使うことでせめて密着度を高めておいた方が楽ですし、落下防止の意味でも安全です。
赤ちゃんの位置を高くすることはできないため、最初のサイズ選びがかなり大きなポイントです。
調整できる:ディディモスラップ・ボバラップ・スリング・メイタイ
調整ができると赤ちゃんの位置を高く保ちやすいですし、密着度も調整できて楽です。
調整を手間を思うか、結果的に密着できるから体への負担がなく楽と取るかは、抱っこ紐自体の使用用途にもよるので、どんな場面で使うかを考えながら選ぶといいかと思います。
一枚布のタイプは、抱っこ紐以外にもブランケットや敷物がわりにしたり、体に巻きつけておけば荷物にならないなどのメリットもあります。
抱っこ紐はTPOを考えて使う
今回は基本的に赤ちゃんの姿勢や大人の体への負担を切り口にお伝えしました。
どの抱っこ紐にもメリットデメリットがあります。
調整できれば体に沿やすくて楽だけど、ちょっと出かけるだけなのに、ゴチャゴチャするのはなんかめんどくさいと思うのであれば、手数の少なくて使いやすいと感じるものを選ぶといいかなと思いますし、いろんな用途でコスパの良いものを選びたいと考えるのであれば、一枚布の抱っこ紐で頑張ってみようかなというところもあるかもしれません。
複数お持ちの場合は、それぞれの特徴を理解して、TPOに合わせて使いわけるのがオススメです。どの抱っこ紐でも、使い方がそれぞれあるので、メーカーの推奨する使い方を参考に安全に使ってもらえると良いなと思います。