と妊娠中や産後は骨盤ベルトの購入を皆さん検討されるものの、疑問なこともたくさんありますよね。
骨盤ベルトはギュって強く巻けば効果があるというわけでもないんです。使う時は、巻く場所や強さに注意することがとっても大事です。
- 骨盤ベルトあるけど場所がいまいちよくわからない
- 骨盤ベルト強く巻く方がいいと思っていた
基本的には、メーカーが推奨している使い方をきちんと確認し、守ることが大切ですが、特に以下のことに気をつけて使ってもらえるといいのではないかなという点をまとめてみました。
骨盤ベルトの使い方 ①着ける場所
場所はメーカーがそれぞれ推奨している場所があるのでそれを守ってつけるのが一番安全です。ベルトを巻く位置に関しては、こんな報告もありました。
骨盤ベルトは上前腸骨棘のすぐ下での着用で大幅に仙腸関節の可動性を低下させた。
Jan.M.A.Mensら:The mechanical effect of a pelvic belt in patients with pregnancy-related pelvic pain(https://www.clinbiomech.com/article/S0268-0033(05)00194-4/fulltext)
腰骨のすぐ下で巻くと、骨盤が安定しやすかったよという報告です。
大転子のすぐ上にベルトを着用すると、骨盤の安定が実現しました。
Andry Vleeming:An integrated therapy for peripartum pelvic instability: A study of the biomechanical effects of pelvic belts. Am J Obstet Gynecol. 1992 Apr;166(4):1243-7.
股関節より上で巻くと、骨盤が安定しやすかったよという報告です。
つまり、骨盤ベルトは、腰骨と股関節の間に巻くと安定しやすいということですね。
骨盤ベルトの使い方 ②巻く強さ
強く巻かないと意味がない!って思ってる方みえませんか?
●50Nの負荷での骨盤ベルトの適用により、仙腸関節の動きが大幅に減少した。
●100Nの負荷でも同等の結果が得られた。
●50Nと100Nでの違いは統計的に有意ではなかった。
骨盤ベルトの効能は主に張力の大きさではなく、適用部位によって決定される。
Andry Vleeming:An integrated therapy for peripartum pelvic instability: A study of the biomechanical effects of pelvic belts. Am J Obstet Gynecol. 1992 Apr;166(4):1243-7.
つまり、50の力で締めても100の力で締めても、骨盤に対する安定性はどちらも同じだったよっていう研究です。
実際の締める強さは、素材によっても異なってきます。メーカーの推奨している使い方に合わせてくださいね。伸びない素材のものだと「手のひらが1枚入る分くらい」とされていることが多いですし、伸びる素材のものだと「心地よく感じる程度に」とされていたりします。
\つけ心地よかったです/
骨盤ベルトの使い方 ③使う期間と時間
妊娠中から産後(1ヶ月)にかけての骨盤ベルトの継続的な使用は、増加した骨盤の非対称性を修正する可能性がある。
Saori Morinoら:The effects of pelvic belt use on pelvic alignment during and after pregnancy: a prospective longitudinal cohort study
(https://bmcpregnancychildbirth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12884-019-2457-6)
骨盤の歪みに関しては、産後だけじゃなくって妊娠中から継続して使った方が意味があるとのことです。
骨盤ベルトは、使用時間が短すぎるとほとんど効果がない場合がある。
週7時間未満の骨盤ベルトの使用は、骨盤のアライメントに影響を与えることが証明できなかった。Saori Morinoら:The effects of pelvic belt use on pelvic alignment during and after pregnancy: a prospective longitudinal cohort study
(https://bmcpregnancychildbirth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12884-019-2457-6)
ただし、すぐ外しちゃうようだと意味がないよっていうことです。
ベルトの使用時間が長くなるほど、痛みの大幅な減少があった。
Natasha AMS Flackら : Adherence, tolerance and effectiveness of two different pelvic support belts as a treatment for pregnancy-related symphyseal pain – a pilot randomized trial
(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4339641/pdf/12884_2015_Article_468.pdf)
痛みに関しても、使用時間のことが言われています。
- 妊娠中から産後1ヶ月まで継続して
- 週7時間以上使う
と、骨盤の歪みや痛みに対して意味がありそう。ということがわかっています。
骨盤ベルトの使い方 ④ベルトに頼り過ぎない
●単独療法としての骨盤ベルトの使用は推奨されない。
同時に筋トレ(特に内骨盤筋組織と大殿筋のトレーニング)が重要。●統合アプローチが効率的でない場合、ベルト張力の増加は推奨されない。
Andry Vleeming:An integrated therapy for peripartum pelvic instability: A study of the biomechanical effects of pelvic belts. Am J Obstet Gynecol. 1992 Apr;166(4):1243-7.
産後すぐからできるインナーマッスルのエクササイズはこちらも別の記事があるので、よかったら参考にしてみてくださいね。
間違い情報に惑わされないで…
今回の骨盤ベルトにしても、骨盤矯正にしても、この産前産後のあたりの情報には間違ったものもたくさんネット上にあふれています。
「〇〇だけで!」「〇〇さえすれば…!」という記事や情報には、飛びつきたくなるものですが、人間の体はこれさえすれば万事OK!という簡単なつくりではないんじゃないかと思うんです。
ずっと使い続ける体。大切にしてもらえたらいいなと思います。
カナ(@s_size_9)でした!
骨盤ベルトの効果や必要性・選び方についてはこちら